クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

「そういえば、君の名前を聞いていなかったね」

「……アンナと申します。調理場でお仕えしています」

ゆっくり顔をあげて言うと、レオンは思い出しだしたかのように目を見開いた。

「あっ! もしかして薬膳料理を作る新しい子って……そっか、君のことだったんだね。いや、僕の部下たちがいつも噂をしていて……ふぅん」

なにやら意味深に頷いてレオンはニッと笑った。

「もうここには慣れた? 今度、僕が敷地内を案内してあげようか?」

「え? いいえ、そんな……恐れ多いです」

仮にもレオンは王族だ。しかも王太子である彼に敷地案内などさせられるわけがない。アンナはぶんぶんと首を横に振り、その申し出を丁重に断った。