クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

ふと、アンナは食事をレオンに持って行ったときのことを思い出すと、急に気まずくなって足早に通り過ぎようとした。そのときだった。

「あ、君」

踵を返したアンナの背中にレオンの呼び止める声がかかる。レオンは王太子だ。このまま無視していい相手ではない。アンナは身体をこわばらせ、じっと立ちすくんでいるとあっという間にレオンが背後に歩み寄ってきた。

「今日は休みなのかな? この間はごめん。驚かせちゃったみたいだね」

俯くアンナの顔を覗き込み、レオンは眩しい笑顔を向けた。

「いえ、こちらこそ……失礼いたしました」

騎士たちの稽古をつけていたレオンの額にはうっすら汗が浮かび、前髪を後ろになでつける。そんな仕草だけでも色気があり世の女性たちは色めき立つのだろう。しかし、アンナは早くこの場から立ち去りたくて仕方がなかった。