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中間考査前2週間は、試験期間として運動部も文化部も部活動が休みになる。だから、今日から部活はお休みだ。
「とーわ。久しぶりに一緒に帰ろうよ」
若菜がそう声をかけてきて、その時には教室にはまだ武田の姿もあった。
桜庭くんと一緒に帰るようになってからは、1度も武田と帰っていない。それも相まって、私は若菜の問いに、即答することができなかった。
「武田、は?」
「まだ聞いてないけど、一緒じゃないかな?」
……それは、出来れば避けたい。
「2人で帰りなよー。それじゃぁ、おじゃま虫は退散するから」
私は鞄を持つとそのままそそくさと教室を出てため息をついた。少し時間を潰してから駅に行かないと、武田と駅で一緒になっちゃう。
結局、どこで時間を潰すか悩んで、私は書道室にきた。
毎日人が出入りするけれど、少しだけ香る墨汁の香りや、長らく保管されている本の匂い。書道室の空気は少しだけ独特で、それが私は好きだった。
どうしようかな。なんか、落ち着かないし1枚くらい書いていこうかな。見つかったら怒られるかもしれないけれど、別にここ、そんなに人来ないし。
私が道具を準備していると、書道室のドアが開いた。
中間考査前2週間は、試験期間として運動部も文化部も部活動が休みになる。だから、今日から部活はお休みだ。
「とーわ。久しぶりに一緒に帰ろうよ」
若菜がそう声をかけてきて、その時には教室にはまだ武田の姿もあった。
桜庭くんと一緒に帰るようになってからは、1度も武田と帰っていない。それも相まって、私は若菜の問いに、即答することができなかった。
「武田、は?」
「まだ聞いてないけど、一緒じゃないかな?」
……それは、出来れば避けたい。
「2人で帰りなよー。それじゃぁ、おじゃま虫は退散するから」
私は鞄を持つとそのままそそくさと教室を出てため息をついた。少し時間を潰してから駅に行かないと、武田と駅で一緒になっちゃう。
結局、どこで時間を潰すか悩んで、私は書道室にきた。
毎日人が出入りするけれど、少しだけ香る墨汁の香りや、長らく保管されている本の匂い。書道室の空気は少しだけ独特で、それが私は好きだった。
どうしようかな。なんか、落ち着かないし1枚くらい書いていこうかな。見つかったら怒られるかもしれないけれど、別にここ、そんなに人来ないし。
私が道具を準備していると、書道室のドアが開いた。

