音ちゃんの悲しい告白に、伊原くんと私は言葉を失った。


「12月24日の放課後、私は学校の屋上に向かった。前日まで降り続けていた雪がたくさん積もってて、空は晴れていたけど、ものすごく寒い日だった」


12月24日、音ちゃんは屋上に行った。


命を終わらせるために。


「屋上から飛び降りるつもりだったの。柵を乗り越えて屋上のふちに立ったとき、そこに積もっていた雪がドサッと下に落ちて……そのとき、下から窓が開いた音がした。それが茉雛ちゃんだったみたい。そのあとすぐに屋上に茉雛ちゃんがやってきたの」


「茉雛が屋上に……?」