渡されたお弁当箱を開いて驚いた。 お弁当箱は綺麗に洗われていて、家事が出来ないわけじゃないことを窺わせた。 「なんだ。 私、そこまで必要ないんじゃない。」 心の声がそのまま漏れる。 彼の去ったリビングに虚しく小さな声がこぼれた。 完璧だと思っていた谷のほんの少しの弱点さえも実際はそこまでのことじゃないんじゃないかという疑惑が頭をもたげてしまった。