今日は大事を取って入院する祖父は明日には戻ってくる。
 その準備もしたいのもあって、澪の家に帰ってもらうことにした。

 泣き疲れた双子は病院から移動してもずっと眠ったままだった。
 双子を寝かした部屋で龍之介と2人並んで座った。

 そして病院で話した告白の続きを始めた。

「いつの日にか聞かれましたよね?
 両親が健在なのにどうして一緒に住んでいないのかって。」

 龍之介は澪の手を握って、その手を優しく撫でた。

 澪は一呼吸置いてから続きを話した。

「私が一緒にいた頃の両親は言い争ってばかりで、その原因の中に私の存在もありました。」

 自分で話してつらくなると、鼻をすすって嘲笑った。

「龍之介さんは私の痣を綺麗だとか、運命だと言ってくださいましたけど、その痣が禍々しくて不吉だとよく言っていました。」

 龍之介は澪の肩を抱いて「笑って話すことじゃないよ」と窘めた。