「澪のにおい、すごく好きだな。
 安心して、けれどどこか落ち着かない気持ちにもなる。
 今は早く一つになりたいよ。」

 おでこにキスを落とした龍之介は唇も重ね合わせて、それはすぐに深いキスへ変わった。

「龍……あ、の、せめて寝室に……。」

 龍之介の色気に当てられて息も絶え絶えに漏らすと苦笑された。

「いつになったら大人の余裕ある態度を見せられるか分からないよ。」

 笑ってそう言ったのにキッチンにも関わらず深いキスの嵐は止まらない。
 堪らずに彼の体に寄りかかるとようやく龍之介が頭を撫でて「ベッドに行こうか」と甘く囁いた。

 彼に触れられると何も考えられなくなる。
 もっと彼に触れて欲しい。
 自分も触れたい。
 普段なら思わないような恥ずかしい思いが渦巻いて彼の体に手を回す。

「龍……。」

 たくさん話したいことがあったはずなのに、今はただ彼に溺れていたかった。
 シーツに2人の体が重なって、そして深く沈んでいった。