心のどこかで谷はそんなことしないって思っていた自分のあざとさを感じて反吐が出そうだった。
谷の大きな手が澪へと伸びる。
「……ッ。」
「優しくしてやろうと思ったのに、容赦しないよ。」
みるみる涙がたまってジタバタともがいても無駄だった。
「辛抱強いんだね。声、出したら?」
「………ッ。痛ッ。」
思わず漏れた声に谷は口の端を上げた。
「睡眠不足?固くなってる。」
逃げようとする澪へ執拗に手を伸ばす谷へ声が漏れた。
「痛い!痛いです!!」
谷に捕まえられ暴れてもつかんだ足を離してくれない。
「足の裏は第2の心臓って言うくらいだからね。」
ものすごく痛い足裏マッサージに悶絶する澪を見てクスクス笑う谷が悪魔に思える。

