澪は歩いていく背中へ言葉を投げた。
「私のことより谷さんのことを聞きたいです。」
立ち止まった谷は振り向いて茶化す。
「俺のこと知りたいってことは、俺のこと少しは気にかけてくれた?」
「私ばかり知られていてフェアじゃないからです!」
可愛くない返答をすると谷を追い越してリビングへと足を向けた。
1人掛けソファを陣取る澪を視界に映すと谷は小さな笑みをこぼして近くのソファに優雅な所作で腰をおろした。
足を組んで話し始める様をクッションを抱きかかえて小さくなって聞いた。
「俺、澪と同じ高校出身。」
「え?」
「フッ。雇用主の学歴くらい目を通して欲しいものだけどね。」
指摘されて「すみません」と小さく謝った。
同じ高校出身だったから進学校だというのも分かったし、面接でも目に入ったのだろうか。

