それなのにーー、 いま、私は君の手をとって、予想外のことをしようとしてる。 心のなかの抵抗を押しのけて、その手に引っ張られながら、私の知らない場所に行こうとしてる。 いつもと違う帰り道。 行き先さえわからないのに。 君の力強くて温かい手に引かれていれば、不思議と不安はなかった。 それどころか、わくわくすらしているなんて…… 自分じゃないみたいだ。