私が中学1年のとき、奏多とお姉ちゃんは3年で、同じクラスだったのは知っていた。 夏休みが明けた頃から、奏多がたびたび学校を休んでいたことも。 変だとは思った。受験前のそんな時期に、学校を休むなんて。 なんでだろう、なにかあったのかなって、気になっていた。 だけどーー、 『いるよ。好きな子』 私は、そんなことばかり気にして、大事なことをなにも訊けなかった。