「え?」 奏多が、入院……? 「し、知らない」 私が首を振ると、お姉ちゃんが、小さく息を吐いた。 「そうよね。口止めされてたから、私も言わなかった」 「口止めって……なにを……?」 「病気のこと、真白には言うなって」 「病気?なんのこと……?」 わけがわからなかった。奏多が病気だなんて、聞いたことがない。 お姉ちゃんは、言いづらそうに目を伏せた。 「私は、同じクラスだから知ってた。プリントとか、先生に頼まれて届けたりしてた。だから、本田くんの病気のこと、知ってたの」 「……うそだ」