「お姉ちゃん、こんないい服持ってたんだ」 「汚したりしたら弁償してもらうからね」 「き、気をつけます……」 お姉ちゃんにお礼を言って、自分の部屋で着替えてみた。 「ほんとだ。ぴったり……!」 お姉ちゃんには頼めないと思ってたけど、頼ってみてよかったと思った。 でも、動きやすい格好って、どこに行くんだろう。 まさか、12月に登山なんてことはないと思うけど…… 「真白」 隣の部屋から、壁越しに私を呼ぶ声が聞こえてきた。 「なに?」 「うるさい」 ピシャリと言われて、私は黙った。