「うぅ〜ん……ぜんっぜん、わからない」

三好さんが、はあ、とため息をついた。

駅前のショッピングモール。今日は三好さんに誘われて、買い物に着ていた。

『お願い、付き合って!』

金曜日。いきなりそう言われて、何事かと思った。

『この前聞いたんだけど、もうすぐ由良くん誕生日なんだって。それで、誕生日プレゼントを買いに行きたいんだ』

と恥ずかしそうに言う三好さん。

『でも、私の意見じゃなんの参考にもならないと思うよ?』

むしろそういうのは、経験豊富そうな渡辺さんのほうが知ってるんじゃ、と思うけれど……。

だけど渡辺さんは、本当に、由良くんのことがあまり好きじゃないのかもしれない。

三好さんに言われてから、意識して見てみると、たしかにそう思うところがあった。

由良くんの話になると、さりげなく会話から離れたり、おもむろにスマホをいじりだしたり、どこかに行ってしまったりするから。

でも、やっぱり気のせいなんじゃないかなって気もするけど。

人の気持ちに鈍感な私には、よくわからなかった。