「まあ、せっかく来たんだし、こっちはこっちで楽しもうよ」 「あ、私、行ってみたいところがあるんだけど……」 「ん?どこ?」 「あのね、ゾンビの館ってところ」 「え……っ」 桐生くんの顔が、笑顔のまま固まった。 「そそ、それはちょっと」 「もう大丈夫だから。行こっ」 「……なんか真白、急に元気になってない?」 ごめんね、桐生くん。 じつは知ってるんだ。桐生くんが、ホラー系苦手なの。