「─あーもう、わかった! 迷ったままでいいから! 今から付き合うぞ、俺たち!」 握った手を下ろしてぶんぶん振りながら、彼が言う。 あんまり子どもっぽい仕草に、つい吹き出した。 バーだから声は殺して、カウンターに突っ伏してひとしきり笑った。 ──なんだかもう、ゴチャゴチャ考えてるのがバカらしくなってきた。 「ああもう、敵わない。 後悔しても、知らないからね。 ─私でよかったら、よろしくお願いします。」