「さあね。俺にもわからん。」 彼は一口、バーボンを含む。 味わうように、ゆっくり飲みほす 私は、意味がわからず眉をしかめる。 彼自身も分かってないから、当然だけど。 「人間てさ、何でも頭でわかって行動してんのか? ──俺は、そうは思わない。 お前もそうだろ?」 「そんなこと…」 「じゃあお前は、頭で考えて、俺に恋愛したくない理由を話したか?」 被せるように言われて、息を飲む。 そうだ…流れでなんとなく話した。 何で…?