「私たちって親しくなったの、1年半位前だったよね。
その前から私の事知ってたの?」
彼はある意味有名人だったから、私が彼を知っているのは当然。
でも私は、ただの社員だ。
目立つようなことは、何もしていない。
彼と飲みに行くようになったのも、彼が仲良くしている男性社員が、たまたまうちの課にいたからだ。
その男性社員と私も仲良しで、でもその人はお酒が飲めなくて。
「飲んべえ同士で、気が合うんじゃない?」と、居酒屋で引き合わされた。
女たらしの噂もあって、最初は警戒していたんだけど。
話せは話すほど、意気投合。
帰る頃には、連絡先と次回の飲みの約束を交わしていた。
──そして、今に至る。はずだ。