えっ、妬かれたい?
そんな男がいるの?
私はきっと、キョトンとした顔だったろう。
彼はまた、「その顔もツボ」と笑った。
「嫉妬ってさ、相手に対して愛情が大きくないと、絶対しないと思わないか?
好きでもない奴に、妬くか?お前。」
私は、首を横に振る。
確かに、例えば目の前の彼が女性といても、私は何とも思わない。
彼は、少し顔をしかめた。
舌打ちでもしそうな感じだ。
どうしたんだろう。
「──まあ、つまりだ。
嫉妬って、俺にとっては愛情の裏返しだ。
少なくとも妬いてる間は、その子は俺の事だけ考えてるだろ?
そんなの、すげぇ嬉しいと思うだけだ。
それに、……多分お前より俺の方が嫉妬深い。」