女を心からかわいいと思ったことも初めてだった。

彼女を見ていると、作った笑みじゃない笑顔が自然と出てくる。

服を返してもらったら彼女との接点がなくなると、帰る彼女を追いかけて、名刺を渡した。

女から聞かれて教えることはあっても、自分から教えるなんて、初めてだった。

後で、教えたことを後悔して、何やってるんだと苦悩する。

俺が、来るかどうかもわからない女を、心待ちにして、無意識に、夕方から外を気にしている姿に、バイトの奏多が、変な顔で見ていると気がついているが、彼女が来る日を待ち焦がれていた。

その日は、すぐにやってきて、俺は気分が昂って彼女の為にメニュー外のオリジナルランチを用意してあげる始末。

彼女を前にすると完璧に、おかしくなっている。

これって…恋なのか?

それを確かめたくて、俺のルールを破った。

そう、お客に手を出してしまった。

手を出した後、後悔が押し寄せる。

こんな純真な子を汚れきった俺が汚してしまったことの後悔に、素っ気ないふりをして彼女に嫌われることを選んだ。

そして、翌日から俺は、セフレ達を代わる代わる抱いたが満たされなかった。

愛梨じゃないと、心も体も反応しなくなってしまっていた。