「ひっ!?な、なんでそんなとこに!?不審者!!」
あたしは爆烈に後ずさりして、その不審な男から離れた。
「…そっか、おまえ、俺が見えるのか」
不審な男はあたしの様子などおかまいなしで、なぜか少し嬉しそうな顔をしている。
「な、何言ってるんですか…」
こ、この人、マジでやばい人?
…た、助けを呼んだ方が、いいよね?
下の階にお母さんがいる。
せめてドアを開けられたら、叫び声が聞こえる。
でも、さっき不審男から離れようとして、ドアとの距離も離れてしまった。
男はドアの真上にへばりついてるし、今開けるのはハイリスクすぎる。
あたしは、震えるスマホを握りしめて、勇気を振り絞って不審男を睨みつけた。
「ふ、不法侵入で警察呼びます…!!!」
