ユーレイとあたし。




「あーー……」

あたしの決死の睨みを向けたにも関わらず、不審男は微塵も動揺しなかった。
頭をポリポリ掻きながら、ちょっと困った感じで「どーすっかな…」みたいなことを呟いている。


「…別に警察に電話してもらっていいんだけど、君がちょっとやばい子って思われるだけだと思うよ?」

「はあっ!?」


あたしは怖いのも忘れて思わず半ギレの大声で反応した。

おかしいでしょこの状況であたしの方がやばい子?



「明らかに天井にへばりついてる不法侵入者の方が頭おかしいでしょうが!!!!」


「ぶはっ!!!!!」


不審男が堪え切れなくなったかのように吹き出した。
腹を抱えて笑っているのにへばりついたまま…。

敵ながら驚異の腹筋と持久力である。



「あーーごめんごめん!だよな、そう思うよなー!!


俺が見えてたら、そりゃ俺の方が不審者だわ」




…………は?