すっと落ち着いて酸素を体に取り入れていく。



「那智が殺人者だか何だか知んないけど、自分の大切な娘じゃないんですか?
理事長さん。」



静かな部屋にコウキの棘のある言葉がその場を凍らせる。



「娘とは思いたくないですがね・・・」



ニコリと当たり前のように言うこの目の前の奴は異常。



「そんなのおかしいですよ。」



今まで黙っていたトウヤが口を出す。



『トウヤいい、もう帰ろう。』



凛の手を借りて立ち上がる。
少し視界が揺れるけど、これ以上コイツの前でこんな姿は見せられない。



『俺はもうあん時とは違う。』



それだけ言って部屋を出る。



寮に帰るまで誰も口を開くことはなかった。