「俺はわからなかったんだ
今まで、そんな事感じたことなかった
紗也が初めてなんだ
紗也を抱いて初めて、セックスが気持ちいいもんなんだって知ったよ
もっと、抱きたいって思ったのも紗也が初めてだよ」

「恭介さん…………」

「初めて嫉妬もした」

「嫉妬?」

「今までのさ、少ないながらに付き合った彼女達の過去なんて興味もなかった
実際、経験者ばかりだったけどな
でも、紗也に触れた男達には嫉妬した
自分でも驚くほどに紗也を自分に染めたかった
俺の抱き方を知ってほしくて
昔の男の抱き方なんて忘れて欲しかった
昔の男なんて思い出せない程に………
激しい欲望がわいてくるんだ
でも、嫌われると思って…………」


今日は久しぶりだったのもあったが、"しつこかった"と思う
紗也に"無理"と言わせる程に


「だから、もう我慢しない
したくないんだ
二度と紗也を離したくない」


一年間辛かった
忘れた事なかった


「離さないで」


ぎゅっと抱き締めてくれる紗也にツンと込み上げてくるものは
我慢していた欲情ではない
ただただ、愛しい気持ち


「紗也…………」


そっと唇を重ねた
初めての時の様に
何度も何度も離さないと気持ちを込めて


大人で余裕な男だと思われたかった


でも、本当の俺は
会社の人間にだって嫉妬する小さな男
何度も抱きたくて、ずっと触れていたくて
俺に縛り付けたい程の独占欲を持っている


お預けを喰らっていたから、やっと得た快楽の中で約束させた
「もう、俺以外の男に笑わない」と


漸く、日の目を見た俺の独占欲
まだまだ、序の口


もう、隠さないよ