「私をお嫁さんに選んでくれてありがとうございます」


ほら、そうやって紗也は俺の心臓を意図も簡単に高鳴らせるんだ
眉間に皺が寄るのがわかった


それは紗也もわかったのか、不思議そうに首を傾げる姿が無防備で堪らない


そんな可愛いことを、可愛い顔で言うな
襲ってくれと言ってるようなものだ
それなのに、今はお預け状態だ


「さっきから抱きたくて仕方ないのに
そんな可愛い顔で可愛いこと言われたら我慢できなくなるよ」


お預け状態の恨み辛みをしっかり込めて
駄々っ子の様に口を尖らせて拗ねて

あー、ほんと子供だ


「え?」

「さっきも言っただろ?
いつも、離れたくなかったって
ずっと、紗也に触れていたかったんだ
何度抱いても足りなかったよ
もう、恥を承知で言うけど紗也と付き合った時にも7年程女性を抱いてないって言っただろ?」

「あ、はい」

「高校や大学時代の友人達がさ、セックス良かったとか、身体の相性良かったなんて話をしてきた時も俺にはわからなかった」


驚いた顔が可笑しくて可愛くて
そっと頬を撫でる

突然の男子性事情を暴露
学生時代とは言え、聞いてはいけない事を聞いてしまったような顔は複雑な想いを乗せていた

何度も言うが、お預け状態
男子のエロトークなんてこんなもんじゃない
少しは紗也を困らせてやりたい

そんな邪な気持ち