「俺とのこと考えてほしい
紗也が加減しろって言うなら、セックスも我慢する!しつこくしないから!」


そう言いながら、我慢出来る自信はない
それでも、今は紗也との未来のためには仕方ない



「はい、よろしくお願いします」

「へ?」


"よろしくお願いします"?
たぶん、いや、絶対、間抜けな顔をしていただろう



「私も恭介さんが好きです
恭介さんのお嫁さんにしてください」

「え?夢?」

「なんで!」

「え、いや、え?本当に?
もう、やっぱやめたは聞かないぞ?」

「そんな事言いません」


じわじわと沸き上がる喜び
紗也が俺の奥さん?

ずっとずっと望んでて
でも、一度は諦めた


「恭介さんにさっき謝ったのは、一年前の事です」

「一年前?」

「恭介さんを好きだったのに、気持ちに嘘をついて別れました
恭介さんを傷つけたと思います
ごめんなさい
酷い女だけど、嘘つきだけど、恭介さんの事忘れた事無かった
ずっとずっと恭介さんに抱き締めてもらいたかったの」


紗也もずっと苦しんでいたんだ
それは、やっぱり俺が情けなかったからで


何度も確かめる様に紗也、と呼ぶ俺に紗也も何度も答えてくれた

一年間、何度呼んでも返事が無かった切ない夜を思い出した



「紗也、結婚しよう
もう、離さないから」

「はい」


ゆっくり唇を重ねた
優しい優しいキス

誓いのキス



「紗也、愛してるよ」