「紗也……紗也の気持ちは?
恭介さんのこと、もう嫌い?」
優紀の優しい言葉にまた、涙が溢れてくる
私は首を横に振る
たとえ、本当に浮気をしていたとしても嫌いになんてなれない
たぶん、この先もずっと
彼以上に愛せる人なんて出来ないかもしれない
「嫌いになんてなれないよ
大好きだったもん
本当は別れたくなんて、無かったよ…………
それでも、恭介さんは私相手だときっと疲れちゃうよ
私を甘やかせてばっかりで、仕事がしんどくても辛い時でも頼れないんだよ
そんなのダメだよ……」
「紗也も恭介さんも優しすぎるんだよ……」
「違う、いつか恭介さんに振られることが怖かっただけだよ
私はズルいの…………
ただ、弱かっただけ、恭介さんに甘えてばっかりで…………」
私と過ごすことに疲れちゃったらどうしようって
いつか、恭介さんから別れを言われるんじゃないかってずっと不安だった
会えば愛してくれてた
大事にしてくれているのもわかっていたけど………
優紀の瞳から涙が零れた
親友にさえも話せなかった
親友だから話せなかったの
きっと、優紀も泣いてくれるから
「あーあ、なんかすっきりしちゃった!
優紀、話聞いてくれてありがとう!
今まで何も聞かずにいてくれてありがとう
何も言えなくてごめんね?」
「優紀を泣かせたなんて卓也さんに怒られちゃうかな?」って言うと優紀は「ばか、」と言ってまた、涙を流していた
私は優紀の涙を拭った
卓也さん、優紀のこと大好きだもんね