「ふふ、実は何度か見掛けてます!
私の最寄り駅、紗也さんの彼と同じみたいで」

「そうだったの?」


うわっ、なんか恥ずかしい
私、なんか変なことしてなかったよね?



「職場の紗也さんと違ってて凄く可愛かったですよ」

「もうっ」


私は手で顔を仰いだ
ほんと、恥ずかしい


「でも、彼も見なくなったのと時期が一緒だったから、別れたのかなって…………」

「彼、ニューヨークに行ってたの」

「そうなんですか?じゃあ、それで?」

「ううん、別れた原因は色々あったの
ニューヨークはそのひとつに過ぎない」

「そっか!でも、良かったです!
男性陣はショックでしょうけど、人気者の紗也さんが結婚してくれてホッとしてます!
ライバルは少ない方が良いですからね!」

「えー、何それ!酷くない?」

「ふふ、紗也さんおめでとうございます」

「ふふ、ありがとう」


みなちゃんに、ライバルと思われてたとは思えないけど
素直なお祝いの言葉に胸が熱くなった


みなちゃんは、またみんなの輪に戻っていった
私はスマホにメッセージを送る
もちろん、相手は………




恭介さん、ちゃんと報告しましたよ
山野紗也になると伝えました



送信すると直ぐに電話が掛かってきた
え?早くない?
私は慌てて、廊下に出て電話に出た


「も、もしもし?」

「紗也?山野紗也とかヤバイだろ
今すぐ紗也を抱きたくなった」

「もうっ!」

「ははっ、今夜は寝かさないよ
今日は俺も早く帰るよ、じゃあ、」


恭介さんは、一方的に話をして切ってしまった
甘すぎます!