「え?じゃあ、原田部長は失恋?」
「えー?じゃあ、原田部長狙おかなぁ
傷心中ですよね?」
なんてまた、楽しそうに


「紗也さん!あのっ、原田部長は………」

「素敵な上司よ、尊敬してる」


それは間違いない
ずっと憧れの上司だ


「そっかぁ、えっと、えっと」


みなちゃんは、何か質問しようと言葉を探してる
可愛くて嫌味のないその姿は男女共に人気だ


「その、山野さんは………」

「以前お付き合いしてて、一年前に別れてたの」

「わぁ!それでもお互いが好きだったんですね!素敵です!」


キラッと音がしたのではないかと思うほどに、みなちゃんは瞳を輝かせた
そして、少し辛そうに顔を歪めた


「みなちゃん?」

「紗也さん、辛そうだったから………」

「え?」

「お付き合いしてる人がいてるのは知ってました
噂にもなってたけど、紗也さん幸せそうだったから
でも、別れたんだってわかったんです
だって、紗也さんずっと誰かを待ってた
ずっと、寂しそうだった」

「みなちゃん……………心配掛けちゃったね」


みなちゃんに、そんな心配を掛けてたなんて
でも、そうやって気にしてくれていたのが何だか嬉しい
ほんと、愛すべき可愛い後輩だ



「でも、良かったです!
そのときの彼ですよね?
イケメンだし、紗也さんとお似合いだもん!」


え?
みなちゃん、会ったことあったっけ?