紗也からも愛されているとちゃんと実感できた
不器用ながらに伝える俺に、紗也も伝えてくれる
いつも笑顔で過ごす時間は俺の全てだった
それほどに紗也との過ごす時間は幸せだった


3年間紗也だけを見ていた
愛していた
俺の未来は彼女しかいないと
そう思っていた



「別れましょう」

「紗也、結婚しよう、俺は紗也しかもう愛せないよ」



優しい彼女はきっと俺を想ってくれていた
俺は最後まで愛を囁いた


紗也、紗也
彼女の名前が好きだった
恭介さん
そう呼ぶ彼女が大好きだった


3年間、彼女はこんなつまらない俺といて楽しかったのだろうか
安心出来たのだろうか


紗也が可愛すぎて喧嘩することもなくて甘やかせて
俺の気持ちの大きさに気付いていたんだろうか?


優しい彼女は「私といたら恭介さんはどこで休むの?」と
最後まで俺の事を心配し、「私じゃ、恭介さんを休ませてあげれない」と


違うんだよ、紗也
俺は紗也がいてくれたらそれだけで幸せなんだよ
俺には紗也しかいないんだよ

甘えてくれる紗也が可愛くて仕方なくて
紗也と過ごす時間は穏やかで




可愛くて甘やかせるだけが愛じゃないんだ
3年間そんなことにも気付かないで
ただ、彼女に溺れていた