あの日、コンパで出会った真山紗也に俺は一目惚れした
あの日からほぼ毎日メールや電話をして何度か食事に行ったりした

「紗也ちゃん」と呼ぶようにもなっていた
彼女はきっと、暫くしたら諦めると思っているのだろう

残念ながら、会うたび可愛くて愛しさが募っていく
会えば想いを伝えるようにしていた

我ながらこんなにマメな男だったのかと新しい発見だ


「真山さん、付き合って欲しいんだけど」

「え?」

「今、彼氏いないって聞いたけど、違う?」

「あ、いえ………」

「だったら、俺と試しに付き合わない?大事にするよ?」


そんな会話が聞こえてきて無意識に拳を握りしめていた

今日は、彼女と食事の約束をしていた
いつも、彼女の会社の最寄り駅で待ち合わせをしていて今日もいつも通り

でも、俺は珍しく早く仕事が終わり駅に着いた時にちょうど彼女から仕事が終わったとメールがあった


少しでも早く会いたかった
そして、あわよくば彼女の周りの男達に牽制したかった

そんなことを思いながら歩いていたら、彼女を見つけそこには男も一緒
若くモテそうな男

彼女との年齢も釣り合いが取れていた

それだけでも、言葉に出来ないほど苛立っていたのに、更に聞こえてきた会話に我慢ができなかった

試しに付き合うってなんだ?


「えっと……「悪いけど今は俺が口説いてる最中だから遠慮してよ」」


二人で驚いてこちらを見てきた
モテそうだとは思ったがよくみるとかなりのイケメンだ