「山野~ちゃんと送っていけよ」と元木がニヤニヤ笑っている
しっかりと週明けには質問攻めだろう


少し戸惑いを見せた彼女に「少し歩きながら話さない?」と言うと頷いてくれた
座っていた時は気付かなかったが女性にしては背が高いのだろうか

姿勢がいい



「私たちみんなと逆方向だったんですね」


そう言われて、俺は足を止めた
止まった俺をに不思議に思いながら振り返った彼女

違う
俺は、


「違うよ、俺もみんなと同じ方向」

「え?」

「真山さんともう少し話したかったんだ」

「え、」

「いや、違うな」


勘違いされたくない
きちんと伝えたい
同じ方面だから送ったのではない

俺は…………


「一目惚れなんだ、俺と付き合って欲しい」


心臓の音が聞こえるのではないだろうかと思うほどにドクドクと脈打つ
彼女は大きな瞳を更に大きくさせていた


そりゃそうだよな?
彼女からしたら、隣に座った無愛想な男に急に告白されたんだから
焦りすぎただろうか?


「急にごめん、付き合って欲しいなんて
焦りすぎたな………
せめて、友達から」


誤魔化し慌てる
また、彼女がクスクスと笑っていて思わず「可愛い、な」といってしまった

女性にそんなこと言ったことがあっただろうか?


「え、」

「あ、いや、何でもない
俺が君に好意を持っているのは忘れないでほしい
俺にチャンスをくれないか?」