「あ、美樹ちゃん!」

「崇さん、お久しぶりです
優紀、もう一人迎えに行ってから来ますよ」

「おーけー、ほら山野も座れよ」


元木に促されて俺は出入り口の一番近いところに座った
まだ、メンバーが揃って無さそうだな

元木に連れられてきた後輩は俺から離れた奥に座った
3対3ってやつか?

後輩は店に着くまで「元木さんと山野さんって………二人に持っていかれるじゃないですか!」とずっと怒っていた
今は早速美樹ちゃんと呼ばれていた子と話をしている
なんだかんだと順応性の高いやつだな


「ごめんね、遅くなっちゃって~」


明るい声と一緒に二人の女性が入ってきた
俺は入り口だったので二人の顔は見えなかった


「優紀………」と小さく呟いた声が少し怒気を含んでいて、なんとなく、騙されて連れて来られたのだと悟った
「紗也~久しぶり~」と先ほど美樹ちゃんと呼ばれていた子の声に紗也と呼ばれた女は溜め息を吐いて俺の隣にストンと座った


嫌々、参加した女を喜ばせる様な技術は持ってない
ベタベタすり寄ってくる女も面倒だが、更に面倒な女が隣に座ったな、と合コンに参加した事を後悔した


チラッと元木を見れば、幼なじみと思われる女と話していた
確かに、可愛いと言われる容姿だと納得した



「こんばんは、初めまして」



俺に向かって笑顔を向けてきた女に視線を合わせて俺は…………




一瞬で堕ちた