「え、」


可愛い?
驚いて山野さんを見てしまう


「あ、いや、何でもない
俺が君に好意を持っているのは忘れないでほしい
俺にチャンスをくれないか?」


か、可愛い、とか止めてほしい………
絶対真っ赤だよ………
でも、真剣な瞳に私もちゃんと伝えないと


「私………仕事が楽しくて
元カレとも会う時間がなくて別れちゃって」

「今、彼氏いないんだ?良かったよ
まぁ、彼氏がいても諦めるつもりは無かったけど」

「いや、そうじゃなくて………
山野さんとも会う時間が………」

「当たり前だけど俺も仕事してるからね
会いたくなったら会いに行くよ」

「で、でも………」
「そんな事で君を諦めるなんて出来ないよ
何も知らないから色々知りたい
俺の事も知ってほしい」

真剣な眼差しにNOとは言えないよ………
私は「お友だちから」とそう伝えた


きっと、会えなくて私の事なんて直ぐに諦めるよ
イケメンだし、彼と付き合いたい女性は山ほどいるはず


「やった!ありがとう」


満面の笑みにまた、胸がキュンと鳴った
イケメンの笑顔って反則だよ


「連絡先聞いていい?」

「あ、はい」


私たちはお互いの連絡先を交換して山野さんは私を送ってくれた


「急に家までは行かないよ
でも、近くまで行かせて
心配だから家に着いたら連絡して」


どこまでも彼は紳士だった


それが私と恭介さんの出会い