いつもの通学路を歩いていると、ざあっと雨が降ってきてびっくりした。

でも、いいかもしれない。

これで、どんなに泣いてもこの雨が全て隠してくれる。

そう思うと、気が楽になった。

さっき美桜が流した涙も、この雨が優しく拭ってくれているだろう。

僕の代わりに。

今まで、その役割は僕だった。

でも、もうそれもできない。

しちゃいけないんだ。

それに、あの涙を流させたのは僕なのに。ほんと、自分勝手。

「はぁ……」

そんな自分に呆れていると、公園が視界に入った。

(あの公園は……)

いつも何か気にするでもなく、通り過ぎていくただの公園。

通称【白黒公園】と呼ばれている。

僕と美桜が出会ったのも、この公園だった。