僕の眼に映る全ての景色が、色を失う。

ぼんやりとした輪郭も見えなくなる。

その中でも、美桜だけははっきり見えて。

そんな中で見た美桜の顔は、悲しみに満ちていた。

そんな顔をしないで欲しい。

僕は君を悲しませたいわけではないんだ。

産まれて、生きて、美桜に会って。

美桜の笑顔を見た時から。

僕の望みは一つだけ。

ただ、君に——美桜に。

笑っていて欲しいだけ。

遠くに聞こえていた、ピッピっという規則正しい機械の音は、いつのまにか長くなっていた。

終わりがないくらい長く——その音は。

僕と美桜の長くも短い夢に、

終わりを告げた。

優希said end