誰にも知られず、静かに息を引き取りたかった。

美桜へのこの思いは、墓まで持って行くつもりだった。

そんなことを思っていると、ガチャリとドアが開いた。

「ゆう、き…?」

すると、今思っていた相手、美桜が入ってきた。

「み……お…?」

思ったように声が出せない。

それがわかったのか、美桜は目を潤ませていた。

あぁ、泣かないで欲しいのに、その言葉が届かない。

「ごめん…ごめん、なさい」