「あ、そうだ。今度一緒に飲みましょうよ!美穂とはサシで飲んだことがあるんですけど、幸枝さんとは行ったことなかったですよね!」

「ありがとう、また機会があればぜひ!」

いつ来るか分からない今度に期待しちゃうから、少し保険をかけた。

しかし、今度が来るのはそう遠くない未来だった。

「幸枝さん、ニャンピースの単行本、今日発売されたんですよ!」

「あー、昨日品出しした時、届いてたわ!」

「今日帰りに買って、ファミレスで読みましょうよ」

断る理由は無かった。雪城くんが、誘ってくれたことが嬉しかったし、今回断ると一生誘われないと思ったのだ。

ファミレスで、1番安いドリアとドリンクバーを2つずつ頼んだ。

毎週雑誌の方のニャンプは買っているから、単行本に新しい物語なんて1つもなかった。

それでも、2人であーでもない、こーでもないって語り合うのがすごく楽しかった。

帰りは、割り勘で帰った。1年前の学生時代を思い出して凄く幸せな気持ちになった。