雷王に愛された花

「とてもお上手なんですね。驚きました。」

「ダンスは小さな頃から好きだったもので。エスコートがとてもお上手だったので、とても楽しかったです。ありがとうございます。」

「シャンパンでもいかがですか?」

「いただきます。初めて飲むのですが、大丈夫でしょうか。」

「そうなのですか?では、こちらの方がいいかもしれませんね。これはアルコールが入っていないので。」

「キレイな色ですね。
すごく爽やかな味です。」

「イチゴですよ。赤い小さい実で。この国の果物の代表です。」

「すごくおいしいです!いくらでも飲めるような気がします。」

「喜んでいただけて嬉しいです。もう一杯いかがですか?」

「いいのですか?少し飲み過ぎになるかもしれませんけれど、いただきます。」

「では、飲んだらもう一度踊りましょう。」

「はい、ぜひ。」

なんだか不思議な気持ち。こんなにまじめな話し方をしているクリスは久しぶりだわ。会ったばかりの頃を思い出すわね。でも国を誇りに思っているところも優しいエスコートもやっぱりクリスのままね。

「私は主催なので最後まで残っていなければいけないのですが、貴女は先に部屋に戻っていて構いませんよ。長旅で疲れたでしょう。」

「よろしいのでしょうか、、、」

「もちろんだ。皆が貴女に会うのはこれが最後の機会ではないのだから。」

「では、お言葉に甘えて失礼いたします。今日は楽しかったですわ。ありがとうございました。」