雷王に愛された花

「じゃあ、お互いに準備したら行こう。ユリン殿、俺の服まで用意してくれて感謝する。」

「いえ。ミレイ様をお願い致しますね。」

「もちろんだ。」

「では行きましょう、ミレイ様。」

「えぇ。」



「これとこれ、どちらがいいかしら。」

「どちらもお似合いですよ?珍しいですね、ミレイ様がドレスを選ぶのにお迷いになるなんて。」

「だって、どっちの方がクリスの好みかわからないんだもの。
あっ。今のは違うわ、、、き、気にしないで!」

「いえ、おかしなことではありませんよ。喜んでもらいたいと思うのは当たり前のことですから。」

「そう、、、なの?」

「えぇ。それでしたら、こちらの新品のドレスはいかがですか?」

「え?こんなキレイなドレス、見たことないわよ?」

「えぇ。お母様からのプレゼントです。王妃様が王様にプロポーズされたときに着ていたドレスだそうです。それをリメイクしてミレイ様にと。」

「知らなかったわ、、、お母様がそんなことをしてくれていたなんて。」

「もちろんです。私に、ミレイ様が初デートをなさるときに着せるように、と極秘に頼まれたのですから。」

「ありがとう、ユリン。お母様からのプレゼントを渡してくれて。」

「ではこれにしますか?」

「えぇ、もちろん!でも、これはデートなのかしら、、、クリスもそう思ってくれているのかしら。」

「聞いてみたらいかがですか?」

「え!?そんな、聞けるわけないわ。恥ずかしいもの。」

「勇気を出して聞いてみて下さい。きっとクリス様もお喜びになりますよ。」

「え、えぇ。じゃあ、頑張って聞いてみる、、、」

「いつも通りのミレイ様が一番ですよ。楽しんで来てくださいね。」

「ありがとう、ユリン。行ってくるわ!」