雷王に愛された花

「なぁ、俺の具合も善くなってきたし、明日でも街を案内してくれないか?少しは気が晴れるんじゃないか?」

「それはとてもいい案ですね!!ミレイ様、行ってらっしゃったらどうですか?明日は天気もよくなりますよ。」

「えぇ、そうね。行きましょう、クリス。」

「そうか。じゃあ、朝食を食べたら出発することにしよう。楽しみにしてるよ。」

「えぇ、私もよ!ありがとうクリス。」

「今日は早く寝ろ。明日のことでも考えながらな。」

「そうするわ。おやすみなさい。」

「あぁ。おやすみ。」

「おやすみなさいませ。」

あぁ、、、さっきまであんなに暗くて沈み込んだ気持ちだったのに、今はもう明日のことで頭がいっぱいだわ。こんなに単純な性格だったなんて自分でも知らなかった。

結婚するならばクリスが良かった、なんて叶うわけのないことは口に出せないわね。思うだけでも恐れ多いのに。あんなに優しい人、会ったことないわ。普段はとても口が悪くて意地悪なのに。

でも、会って10日しかたっていないとは思えないわね。意外とまじめで勉強熱心で、、、きっといい領主様になるわね。彼と結婚する方はきっと幸せでしょうね。羨ましい、、、