雷王に愛された花

「お呼び頂いたのに、遅くなってしまい、申し訳ありません。」

「ふん。相変わらず地味な髪色ね。部屋全体が暗くなるようだわ。

まぁ、いいわ。それよりお前の婚約が決まった。半年後の6月20日に結婚式だ。お相手の誕生日に挙げることになった。それまでに準備しておきなさい。」

「お相手とは誰でしょうか。お聞かせ頂けませんか?」

「喜びなさいな。母国の甥が物好きにもお前と結婚したいと言ってくれたんだ。」

「ジルベルト様ですか?」

「あぁ。そうよ。7つも年が離れているけど向こうが気にしないと言っているんだ。良かったじゃない。」

「分かりました。失礼致します。」





そんな、、、急に呼び出されたと思ったら婚約の報告だなんて。相談してもらえるとは思っていなかったけれど酷すぎるわね。それに結婚するならばせめて知っている人が良かったのに、、、

せめてお父様がいらっしゃればこんなことにはならなかったのかしら。