「きれい…こんな色が作り出せるなんて凄いです」


一緒に絵を見ている樹さんは黙ったままじっと
絵を見つめ続けた

どうしたんだろう


「ぼく色を使って描くのは海の絵だけなんです
あとはデッサンだけなんです」

「デッサン?えんぴつで描くんですか?」

「そうです こっちはデッサン用のノートです」


スケッチブックより一回り小さいノートを開くと
本当にえんぴつで描いた動物や人の手の絵があった


「もし良かったらなんですけど、一緒に海に
行きませんか?」

「え?」

「ここの海さっきぼくが行ってた所なんで
案内しますよ」

「あ、お願いします!」

「じゃあ今からお昼食べに行きましょう」