そして、毒で自分の身を脅かした犯人が、私だと思っているのだろうか。

神殿勤めの苦楽を共にした仲間に殺されかけたのだ。もし、捻じ曲げられた事実を伝えられたのなら、きっとみんな私を憎んでいるだろう、軽蔑しているだろう。

私はやってないのに……そう認識されるなんて悲しいし、悔しい。

私が犯人じゃない!と、みんなに叫んで伝えたい。



冤罪を着せられ、名誉を傷つけられ。神殿での居場所も無くし、友人も失った。

公爵領での生活があまりにも充実していて頭に留め置いてなかった現実が、重くのしかかってきたようだった。



落ち込んだ気分になっていたが、そこでアルフォード様が思いもかけないことを言い出す。



「ラヴィの誕生日パーティーを開こう」

「えっ!……そ、そんな!」



まさか、アルフォード様がそんな発案をしてくるとは思わず、咄嗟に驚いてしまった。

こんな得体の知れない居候の身でありながら、誕生日のお祝いなんて畏れ多いと思ってしまったのだ。



「わ、私の誕生日パーティーだなんて」

「どうして?誕生日は祝うべき喜ばしい記念日じゃないか」