私をブティックに連れて行く。公爵様はそう言ってきかなかったのだが、『旦那様、私らは仮にも公爵家ですのよ?』と、サルビア様に諌められ、ブティックには寄らず。

なんと、お屋敷に仕立て屋を呼んでしまった。……私の服を、作る?そのために?わざわざ仕立て屋を呼んで?

『ええっ!あ、あの、そこまでしてもらわなくてもっ』

と、恐縮してしまう。神殿を追放された罪人に、オーダーメイドなど。罰でもなんでもない。

だが、サルビア様は『いいのよ、私らがしたくてしてるだけなんだから。そんなに遠慮しないで?』『貴女はセドリックとプリムラの可愛い娘なんだもの。何かさせてちょうだい』と、最後には亡き両親の名前を出し、にっこり微笑む。

断りきれず半ば強引に押し切られ、結局、ドレスや普段使いのワンピースを数枚作ることとなった。

……しかし、数日後に届けられた出来上がりの衣服類は、数枚なんていう可愛い量ではなかった。私の使用する客室のクローゼットに大量のドレス、ワンピース、選んだ覚えのないアクセサリー類や小物が延々と運び込まれる光景を目に、唖然としたものだ。