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時が経つのは、早いもので。

私が神殿を追放されて、このルビネスタ公爵領に来てから、もうすぐで二ヶ月になろうとしている。




「ラヴィ!今持ってるやつは応接室にな!あと、そこにあるのは旦那様んとこ!」

「うん、わかった」



ルビネスタ公爵邸の正面にある庭園にて、私は庭師見習いの男の子の指示で、花を仕分けていく。

先程採ったばかりの庭園の花たちだ。お屋敷に飾るために、庭師らが持ってきたのだ。

労働を嬉々として、私は花を束にしていく。




ーーレディニアにある公爵様のお屋敷に身を置いてから、約二ヶ月。

罪人として追放された私が、この公爵家でどんな扱いをされるのか。不安でしかなかったけど、そんなものは杞憂だった。

なんと。ルビネスタ公爵家の皆様には、驚くほど良くしてもらっている。

アルフォード公子様にラベンダー畑を案内してもらったのだが。あの数日後、ルビネスタ公爵様に連れられて、またラベンダー畑を見に行くこととなった。ラベンダー畑鑑賞のおかわりだ。

そして、有言実行で街を案内してもらう。カフェにも連れてもらった。

『公爵様と二人きりだと変な噂が立つ』と、公子様は強く言い張るので、夫人のサルビア様も同伴で。……もちろん、公爵様は執務を終えての外出だ。胸を張って堂々と私と外出するために、執務を頑張ったらしい。