「あぁ、あれか。……アルフォード、頼んだ。俺の代わりに会ってくれ。俺はこれから、元気のないラヴィをもてなして元気付けるという役目がある」
なんと。ツラッとしてその打ち合わせをキャンセルしようとする公爵様。
それは、良いのでしょうか。
だが、実父のとんでも発言を聞いた公子様の眉間にグッとシワが寄っている。
どうやら、良くないことらしい。
「いえ、あの夫妻との打ち合わせは俺の管轄外です。それに、わざわざ南の方から北へと足を運んで頂いたのに、まさか父上が顔を出さないなんて、そんな失礼な。あちらの機嫌を損ねるのもどうかと」
「そうねぇ……長旅でわざわざいらしてくれてるのに。私と旦那様、二人で出迎えないと」
加えてサルビア様も、公爵様を咎め始める。
それに対し、公爵様は反論……というよか、ごね始めた。
「だ、だって、俺はラヴィをラベンダー畑に連れて行きたいんだ!連れて行きたいんだぁぁ!ついでに街のカフェでお茶してえし、ブティックに行ってこいつに似合うドレスを……!」
「ちょっとちょっと。私だって、ラヴィとお出掛けしたいのを我慢して、あの老夫婦と会うのよ?往生際が悪いわね」



