ルビネスタ公爵が何故その重大機密を知っているのかというと、祖父が先の王弟殿下であり、ルビネスタ公爵家自体が王家の傍系であるから、言い伝え程度に耳にしていた。

それと……亡き親友の妻、ランティスとラヴィの母であるプリムラが【秘匿されし聖女】であったからーー。

まさか、親子揃って【秘匿されし聖女】であるとは……。



「……ラヴィが毒入りスープを口にしたのは間違いありません。ですが、口にすると同時に【浄化】の力が働いて、体内のスープの毒を無効化にしてしまったのでしょう。だから、ラヴィだけが被毒しなかった」

「一切の毒が通用しない?……おいおい。貴族としては最強だろ、それ」

苦笑いしか出てこない。

貴族としては度々晒される毒の脅威に怯えなくても済むなんて、なんと羨ましいことか。

……まあ、それはさておき。



「ラヴィの【浄化】の力、秘匿されし聖女であることを知る者は、大聖女様と、神官長。王太子夫妻。そして、聖騎士団長と自分……そして、ラヴィの監護を引き受けて下さった公のみです。味方を作るために、そのうち筆頭聖女三名と、王太子の筆頭近衛である貴殿の長子、ランクルーザーも知る事となるかと」