箝口令がしかれ、慎重に行動したにも関わらず、部分的に情報が漏れていたのだ。
王太子の【魅了】が解かれた時に居合わせたのが、聖女見習いの少女六名である、ということが。
「毒は彼女らの夕食に当たるスープに仕込まれていました。そして、彼女らは皆、そのスープを口にした」
だが、そこでまたしても異常な事態が起こった。
全員毒入りスープを口にしたはずなのに、他は毒に侵されのたうち回っている中、たった一人だけ被毒しておらず、無傷な者がいたのだ。
「それが、ラヴィか」
「調査の結果、その毒とは未だ解毒薬が開発されていないもの。聖女の治癒力で解毒する以外、方法はありませんでした。故に、ラヴィが予め解毒薬を服用して被毒を免れたとは考え難いかと」
では、この状況はどう説明したら良いのか。
……この事から、ラヴィの『聖力』の正体が明らかとなってしまった。
「ラヴィが授かっていた聖力とは、【浄化】の力です」
「【浄化】?……それ、【秘匿されし聖女】じゃねえか!」
「はい。過去の文献からも、状況が一致すると」
「何故、神託を受ける前に……!」



