秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない


アゼリアと側近らには固く口止めをしておいて、王太子はこの事実を内密に神殿の大聖女と神官長に報告する。

神殿のツートップである二人も、驚愕を隠せない。

神託を授かる前の聖女見習いが『聖力』を駆使するなど、ましてや【邪力】を使用した、複雑で危険な禁術をあっさりと無効化にする強大な力を持つなど、前代未聞の事態。

この力の所持が知れたら、魔術師界隈で紛糾があるだろう。

【邪力】という特殊な質の力を使う、難しい禁術の無効化が出来るのならば、そこらの魔術なんて簡単に無効化にできる。

魔術師にとっては商売上がったりだ。

公になれば、ラヴィ自身が魔術師に狙われるかもしれない。



この事はトップシークレットとし、ラヴィの謎の力については、大聖女と神官長が過去の文献を漁って極秘に調査することとなった。

その結果を待っている最中に……今回の聖女見習い毒殺未遂事件が起こった。




「毒殺事件が無差別ではない?……どういうことだ」

「無差別ではありません。確実に狙っています。……王太子の【魅了】が解けた時、その場に居合わせた、聖女見習いの少女ら六人を、確実に」